特発性肺線維症(IPF)とは

特発性肺線維症(英語ではIdiopathic Pulmonary Fibrosisと表記され、略してIPF、アイピーエフと呼ばれています)とは、肺胞に“傷”ができ、その修復のためにコラーゲンなどが増加して間質が厚くなる病気です。
そのため、咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり息苦しくなります。特発性肺線維症は次第に進行し、肺が固くなり膨らみにくくなるため、呼吸が維持できなくなる場合もあります。初めの頃は安定していても、ある時期から進行しはじめることもあります。
一般に肺線維症の約半数は、発症原因がわかりません。このような肺線維症を「特発性肺線維症」(特発性とは原因不明という意味です)と呼びます。しかし、喫煙が、特発性肺線維症を発症する危険因子であると考えられています。50歳以上で発症することが多く、男性に多い傾向があります。
特発性肺線維症は、「特発性間質性肺炎」の一種で、国の難病に指定されています。一定の条件を満たせば、医療費助成制度が受けられます。

特発性間質性肺炎(IIPs)の分類

IIPsは主要な6つの病型、まれな2つの病型および分類不能型に分類されます。IIPsのうち、約半数は特発性肺線維症です。
特発性間質性肺炎(IIPs):国の「難病」に指定されています

主要なIIPs

  • ・特発性肺線維症(IPF)
  • ・特発性非特異性間質性肺炎(特発性NSIP)
  • ・呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎(RB-ILD)
  • ・剥離性間質性肺炎(DIP)
  • ・特発性器質化肺炎(COP)
  • ・急性間質性肺炎(AIP)

まれなIIPs

  • ・特発性リンパ球間質性肺炎(特発性LIP)
  • ・特発性上葉肺線維症(特発性PPFE)

分類不能型特発性間質性肺炎

予後(今後の病状についての医学的な見通し)

自覚症状(息切れや空咳など)が認められてからの生存期間は一般的に3~5年と言われていますが、病気の進行度合いは個人差が大きく経過は多様です。最近では、最初の半年間の経過がその後の病気の進行度合いを反映すると言われています。
なお、風邪やインフルエンザをきっかけとして、急速に悪化することがあるので、注意が必要です。

専門医からのメッセージ

工藤 翔二 先生

日本医科大学 名誉教授
公益財団法人結核予防会 理事長