
設立について
新薬の研究開発過程では、ヒトに対する臨床試験を実施する前に、ラット・マウスなどの実験動物を用いて、薬の効果を調べたり(薬効評価試験)、薬の体内での吸収・代謝・分解・排泄の様子を調べたり(体内動態試験)、投薬時の安全性を調べたり(安全性試験)といったいろいろな試験を行い、ヒトにおける安全性と有効性を予測しなければなりませんが、正確な予測をすることは必ずしも容易なことではありません。
これはヒトと実験動物の間で薬物代謝の違いがあったり、薬物の効き具合が異なることがあり、動物試験では効き目もあり、充分な安全性がみられても、ヒトでは薬効が認められなかったり、予期せぬ副作用が出現することなどがあるためです。このような動物種による薬の反応性の違いを「種差」といいます。
近年、この「種差」を埋めるために、手術で切除したヒト組織やヒト細胞などを利用して、臨床試験実施前に、動物試験に付加して、ヒト組織・ヒト細胞による試験を実施する体制が日本でも整いつつあります。欧米においては、既にヒト組織の供給機関が設立され、さらに供給機関と医療機関や製薬企業の研究所とのネットワークが構築されており、臨床試験でのヒトの有効性や安全性に対する予測性を上げることや、多くの実験動物を削減するなどの成果が見られています。
また、近年の生命科学の進展は著しく、新薬の研究開発においても、遺伝子やゲノム(生物の染色体と遺伝子の完全なセット)に対する研究や、遺伝子によって作られる蛋白質の研究などが非常に活発に行われるようになってきています。
これらの研究を進めていく上で、提供者への適切な「説明と同意」を得たヒト由来試料(血液・組織など)が必須となります。
このようなヒト組織などを利用した研究は、新薬開発や新しい疾患治療を著しく発展させ、また薬剤の副作用防止につながるなど、今後の医療に大きく貢献するものと考えられますが、一方、提供者のプライバシーの保護など、充分な倫理的配慮のもとに進められなければなりません。特に遺伝子研究を伴うものについては提供者ばかりでなく血縁者の個人情報を取り扱うことにもつながり、特に倫理的に適切な対応が必要となります。このような観点に立ち、平成13年3月29日に文部科学省・厚生労働省・経済産業省3省共同による『ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針』が告示・施行されています。
シオノギでは平成13年5月26日付けでこの倫理指針の趣旨に沿った「ヒト組織・遺伝子利用研究倫理委員会」を設立しました。この倫理委員会は弁護士、医師、一般市民等の社外委員および社内委員から構成され、今後シオノギにおけるヒト組織・遺伝子利用研究(社外への委託先が実施する場合も含みます)は、本倫理委員会で審査を受けて承認を得たもののみが実施されることになります。
委員会の構成
| 【倫理・法律を含む人文・社会科学面の有識者】 | ||
|---|---|---|
| 梅山 光法 | 弁護士 | 副委員長 |
| 藤井 榮二 | 弁護士 | |
| 【自然科学面の有識者】 | ||
| 鳥飼 勝隆 | 藤田保健衛生大学 医学部 名誉教授 | 委員長 |
| 小林 真一 | 昭和大学医学部臨床薬理学 教授 昭和大学臨床薬理研究センター センター長 |
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| 竹村 基彦 | 兵庫医科大学 薬理学教室 教授 | |
| 馬場 隆彦 | 塩野義製薬(株)広報部長兼秘書室長 | |
| 園田 光 | 塩野義製薬(株)診断薬事業部 研究開発部門長 |
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| 長谷川 博司 | 塩野義製薬(株)医薬研究本部 創薬・開発研究所 薬物動態研究部門 主幹研究員 |
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| 雪岡 日出男 | 塩野義製薬(株)医薬研究本部 創薬・疾患研究所 代謝性疾患部門 主幹研究員 |
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| 安井 潔 | 塩野義製薬(株)医薬研究本部 創薬・疾患研究所 フロンティア疾患部門 主幹研究員 |
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| 【一般の立場】 | ||
| 高橋 久紀 | ||
| 藤本 早苗 | ||
| 岡本 千明 | ||
| 塩野義製薬における臨床検体から分離した菌株の収集に関する見解 | |
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