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病気の知識

ニキビ − 正しい知識と処置で、にきびを治療しましょう!

ご自身やご家族の症状について、心配や疑問を持たれた場合には、ご自分で判断されずにお医者さんにご相談ください。

はじめに

「にきび」は多くの方が経験する身近な皮膚の病気です。
正しい知識と適切な処置で、「にきび」は治療することができます。

「にきび」は多くの人が経験し、年齢が上がると自然に良くなっていくことが多いため、「病気」としての認識は強くはありませんでした。 しかし「にきび」はたった一つできても患者さんにとっては 悩みの深い「病気」です。患者さんのみならず、周りの方々も「にきび」を十分に理解して、その正しい治療法を知りましょう。

監修:東京女子医科大学医学部皮膚科学 教授 川島 眞 先生

「にきび」は生活の質(QOL※)の低下の原因に

にきび」ができると... 自尊心が傷つけられる、気持ちが暗くなる、怒りっぽくなったりする。→QOLが低下する。

「にきび」は誰でもが知っている身近な皮ふ病ですが、顔にできることが多いため、それを気にする人もたくさんみられます。皆さんも「にきび」ができて、「鏡」とにらめっこしたという経験はありませんか。 「にきび」が人の気持ちにどのような影響を与えるかについて調べた海外の調査結果から、自尊心が傷つけられた、といったネガティブな感情を持ったり、気持ちが暗くなる、怒りっぽくなったりする人が、多いことがわかりました。 私たちの気持ちに大きな影響を与え、生活の質まで低下させる「にきび」ですが、できるだけ早くから適切な処置をすれば退治することができます。そのためにはきちんと「にきび」について知ることが大切ですね

※QOL:Quality of life, 生活の質のこと

690万人の「にきび」の悩み

10代から20歳代に多い「にきび」

10歳代半ばには少なくなる「にきび」ですが、20歳代で「にきび」になる人も

「あっ吹き出物!」顔にできてイヤだなぁ。このような経験をされた方は多いと思います。この吹き出物の多くは「にきび」で、10代から20歳代に多くみられます。その中でも特に、中学生、高校生で「にきび」は多く、18歳を過ぎるころからだんだんと少なくなりますが30歳代までみられます。

「にきび」は病気!

「にきび」は病気!

「にきび」はよく「青春のシンボルで、病気ではない」と言われますが、医学的には尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)といわれる病気なのです。命にかかわる病気ではありませんが、「にきび」ができると気分もすぐれず、日常生活に影響します。また「にきび」のケアが不十分だと「にきび」痕(あと)が残ることもあります。「にきび」の症状が現れたら、放置せずできるだけ早く適切な対策をとるようにしましょう。

※尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう):「にきび」の疾患名。

「にきび」になったとき

「にきび」に気づいたとき、あなたは?

自分でつぶしている、薬局でお薬を買う、肌の手入れをしている

「にきび」かな? その時、あなただったら何をしますか。小学生から大学生まで聞いた調査結果では、3割強の人がドラッグストアでお薬を買ったり、肌の手入れをしたりしていると答えています。他には、睡眠をとる、規則正しい生活をする、そしてバランスの良い食事をとるなど生活習慣を良くするといった答えもそれぞれ2割前後です。一方、「にきび」を自分でつぶすという間違った対処をしている人が2割強もみられました。(なぜ良くないのかは「にきび」の原因と予防をご覧ください)。また、何もしていないという人も約2割います。しかし「にきび」を治したいかとたずねた調査によると、8割近くの人が完全に治したいと答え、2割近くの人が目立たなければよいと答えました。治さなくてもよいと答えた人はわずか(2.2%)でした。

「にきび」を治したい程度

病院それともドラッグストアへ

先ほどのアンケート調査で、病院に行って治療すると答えた人は1割に過ぎません。ドラッグストアへ行く人の3分の1、何もしない人の半分です。病院への受診理由としては、男性の場合「最近、にきびができて気になったため」、女性の場合「自分で対処したが良くならなかったため」が一番多いようです 男性の場合は直ぐに病院へ、女性の場合、まずは自分でスキンケアを行って、それでも「にきび」が治らず病院へ行くケースが多いようですね。 病院・ドラッグストアともに、塗り薬が一番多く使用されますが、病院ではドラッグストアに比べ、飲み薬による治療が多いという特徴があります。 また、ドラッグストアで薬を買った人と病院に行った人で、治療の満足度を比べてみると、ドラッグストアの場合は5割強、病院の場合は7割弱の人が満足していると答えています。十分ではありませんが、やや病院の方が高い満足度です。特に男性では8割の人が病院での治療に満足しているといった結果です。

医療機関への受診理由・病院の方がやや高い満足度

調査結果の詳細

アンケート調査について

[アンケート調査について]

このアンケート調査は、1999年に小学6年生、中学生、高校生、専門学校生・大学生合計793名を対象として行われました。
「にきび」への対処で一番多かった答えは、薬局で薬を買うが36.1%、肌の手入れを心がけるが 35.1%で1位、2位です。続いて、3位、4位が自分でつぶすで26.2%、睡眠時間をしっかりとるようにするが23.2%でした。ついやってしまいがちですが、自分でつぶすは絶対やめたいことですね。あとは、規則正しい生活が19.1%、バランスの良い食事を心がけるが16.1%、中学生以上の女性の9.2%がお化粧で「にきび」を隠すと答えています。また、お化粧をしますかとの質問では、ほとんど毎日が中学生では15%、高校生では42%、専門学校生・大学生では57%です。化粧する女性の低年齢化が進んでいることも伺えます

※この調査では看護学生・医学生の方々にご協力いただいております。

[病院とドラッグストアで使われる薬の種類]

病院では、塗り薬(抗生物質の外用、イオウ製剤)や飲み薬(抗生物質の内服・ビタミン剤など)が主に処方されます。一方、ドラッグストアでは主に塗り薬が購入され、イオウ製剤、消毒薬、消炎剤などが含まれたものが主体となっています。実際には、ドラッグストアでは7割近くがクリームや軟膏(なんこう)などの塗り薬の購入で、それ以外には石鹸などのスキンケア用品、飲み薬が購入されています。

[病院とドラッグストアの治療の満足度比較]

病院とドラッグストアの治療の満足度比較

なぜ「にきび」ができるのでしょうか

「にきび」ができる仕組み

1. 1. 10代後半の思春期になると、男性ホルモンの影響により皮脂(毛穴から出る脂肪成分)の分泌が盛んになります 2. 毛穴の出口の皮ふに異常が起こり、毛穴がつまります 3. 皮脂(脂肪成分)が毛穴に貯まり、ブツブツ(面ぽう)ができます

2. 1. 毛穴に、アクネ菌(にきび菌)が増殖します 2. アクネ菌により毛穴の周りに炎症(赤くはれたりする)を起こします

3. 1. 炎症がますますひどくなる 2. 毛包の組織が破壊される 3. にきびの治った痕(あと)が残る(「にきび」痕)

肌には色んなにきびが混在しています。

にきびの原因 にきびを軽くみてはダメ!

あなたは「たかが、にきび」と思って軽くみてはいませんか。「にきび」はできるだけ早く、きちんと処置をすれば治る皮ふの病気です。しかし、処置が悪かったり、何もしないとどんどん悪くなっていき、「にきび」痕が残ったりします。「にきび」に気づいたら、できるだけ早く皮ふ科の医師の診察を受けるなどして、適切な処置をするようにしましょう。

菌にはいろいろ名前がついているんだ。僕たちの名前はアクネ菌っていうんだ。

「にきび」の原因と予防

アクネ菌と「にきび」の関係

アクネ菌と「にきび」の関係

にきび菌はアクネ菌と呼ばれています。実は、このアクネ菌は他の病原菌のように人体に悪い影響を与える菌ではなく、私たちの皮ふや毛包内に普通に存在する常在菌(じょうざいきん)なのです。皮ふを弱い酸性にして他の病原菌の繁殖を抑える役割もはたしています。ただ、アクネ菌は酸素が少なく皮脂が豊富なところ、すなわち毛包内のようなところで繁殖しやすい性質を持っています。このアクネ菌が増殖し、「にきび」の進行の原因になるわけです。

「にきび」を予防するには

「にきび」を予防するには

お化粧(特にファンデーションは油分を多く含むため)が厚すぎるなど不適切であると毛穴がふさがりアクネ菌が繁殖しやすくなります。お化粧をした時は、帰宅したら直ぐに洗顔をしてお化粧を洗い落とすようにしましょう。睡眠不足、ストレス、不規則な食事も「にきび」を悪くする原因になりますので、ストレスを減らし規則正しい生活を送るように心がけてください。また、汗や室内の乾燥も良くありません。汗をかいたら直ぐに拭きとる、エアコンをかけっぱなしにしないように注意することも必要でしょう。 また、「にきび」を“触る”“つぶす”といった習慣のある人は、それが感染の原因なり「にきび」を悪くし、健康な皮ふまで傷つけてしまい「にきび」痕を残す原因となるので改めましょう。

※常在菌:人の身体に存在する微生物(細菌)のうち、多くの人に共通してみられ、病原性を示さないもの

「にきび」の種類

毛穴が狭くなる(微少面ぼうとよばれ、目では見えません) 毛穴がつまる(白にきびなどの面ぼう) 炎症がおこり、ひどくなると化膿し炎症が広がる(炎症を伴って赤く盛りあがる赤にきび、化膿したにきび、うみをもった状態です。)

「にきび」には、目にはみえない毛穴のつまり、黒にきび、白にきび、赤にきび、膿をもつにきびなどの種類があります。一般に、上の図のような進行で、「にきび」は悪くなっていきます。

「にきび」のできやすい場所

顔、胸、背中に「にきび」はできやすい

「にきび」のできやすい場所

私たちの身体には皮脂が多く出る場所があり、ここに「にきび」ができます。Tゾーンと呼ばれている眉毛から眉間、鼻筋は、「にきび」のできやすい場所です。他にも、顎(あご)、頬(ほほ)、首、口の周り、額、背中、胸といった場所に「にきび」ができます。皮脂が毛穴に貯まりにくい頭やひげのところには「にきび」はできないといわれており、手足にも「にきび」はできません。

にきびができる箇所の不思議 - なぜ手に「にきび」はできない?

「にきび」のできやすい顔、胸、背中に比べ、手のひらや足の裏には「にきび」のもととなる脂線(皮脂が出るところ)がほとんどありません。「にきび」は出たくても、「にきび」の住み家そのものが無いわけです。

「にきび」の重症度分類

どのような「にきび」が重症?

患者さん一人一人にあった「にきび」の治療を行うために、皮ふ科の先生は「にきび」の程度を正確に診断します。その指標となるのが「にきび」の『重症度分類』といわれるもので、日本国内で統一した基準が作られています。これを基に皮ふ科の先生はさまざまな治療を行っています。

「にきび」治療のガイドライン

ガイドラインは治療のバイブル

日本には、「にきび」治療のガイドラインがありませんでしたが、アダパレンがニキビの治療に使用できるようになったため、日本全国の「にきび」を専門とする皮ふ科の先生方が集まり、「にきび」治療の基本方針となるガイドラインが2008年にできました。

※以下のガイドラインは医師によって治療の参考とされるものです。医師に処方されたお薬を独自の判断で使用することは危険ですので、必ず医師の指示によりご使用ください。

日本皮膚科学会ガイドラインより「尋常性ざ瘡治療アルゴリズム」

「にきび」治療の実際

自分でできる「にきび」治療

自分でできる「にきび」治療

「にきび」のセルフケアは、ドラッグストアで買ったお薬を使うか、化粧品によるスキンケアかのいずれかでしょう。ドラッグストアで入手できる薬はたくさんの種類があり、皮脂を少なくし、毛穴の出口をふさぐ角質を取り除く作用のあるお薬と、炎症を抑えるお薬が主流です。 スキンケア化粧品は、「にきび」予防を目的とするものと、「にきび」を治すことを目的とするものに分かれています。 化粧品も、上手に利用すれば「にきび」を必ずしも悪化させることはありませんが、使い方を間違えると悪くする原因になるため使用にあたっては注意が必要です。

病院での治療

病院での治療

病院では「にきび」の種類と重症度を判断し、塗り薬、飲み薬、理学療法(りがくりょうほう)などの中から最も適切と思われる治療法を医師が選択します。

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