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病気の知識

アトピー性皮膚炎 − 「かゆみ」飛んでいけ (かゆみを抑えるための情報)

ご自身やご家族の症状について、心配や疑問を持たれた場合には、ご自分で判断されずにお医者さんにご相談ください。

監修:京都大学皮膚科 教授 宮地 良樹 先生

どのような「かゆみ」ですか?

どのような「かゆみ」ですか?

皮膚に、ブツブツがあって「かゆい」タイプと何もブツブツがないのに「かゆい」タイプの場合があります。
「かゆみ」は病気の一つのサインです。
「かゆみ」がつづく場合は、早くお医者さんに相談しましょう。

※内臓の病気から、たとえば、糖尿病、肝臓病、腎臓病、血液の病気などが原因で起こる「かゆみ」もあります。

「かゆみ」はどうして起こるのでしょうか?

ブツブツがあって「かゆみ」のある場合(末梢性のかゆみ)

表皮と真皮の結合部にあるかゆみの神経を刺激してかゆみを感じます。

ブツブツがないのに「かゆみ」のある場含(中枢性のかゆみ)

黄痘や透析の人などでは、オピオイドペプチドと呼ばれるモルヒネ様物質が増加することがあり、このオピオイドが神経を刺激してかゆみを感じます。

抹消性のかゆみ、中枢性のかゆみ

私たちの皮膚の表面は角層と呼ばれ、外部の刺激物などの侵入からからだを守る役目をしています。
角層は、刺激物などの侵入を防ぐバリアの機能や水分を保つ働きがあります。この角層がこわれますと、いろいろな刺激に反応しやすくなり、「かゆみ」が起こります。
角層の下に表皮と真皮がありますが、真皮にある「かゆみを起こす細胞(マスト細胞)」が「かゆみ」のもとになるヒスタミンを蓄えており、刺激を受けるとヒスタミンが出てきて、神経を刺激し「かゆみ」が起こります。

かゆみを起こす皮膚の構造図

健康な皮膚とかゆみを感じやすい皮膚(乾燥の肌)のちがい

皮膚は、私たちのからだで一番大きな臓器です。大人で、畳1枚分の広さがあり、重さは体重の10%余りにもなります。皮膚は内臓の鏡といわれています。健康な人は美しい肌をしています。健康な皮膚では、角層は適度な水分を保ち、外からのさまざまな刺激からからだを守っています。皮膚は健康のシンボルです。

「かゆみ」とかき破りの悪循環

「かゆみ」とかき破りの悪循環

「かゆみ」は皮膚の病気でもっとも辛い症状です。
皮膚をかき破らないように、「かゆみ」を抑えたり、かきたいストレスを避けることが大切です。
「かゆみ」を抑えるには、抗ヒスタミン薬が有効です。

※抗ヒスタミン薬での治療に関しては、主治医にご相談ください。

日常生活のこころえ

  1. 皮膚はいつも清潔にしましょう(あまりこすらないでネ)*参考1
  2. 温度・湿度、特に乾燥に注意しましょう
  3. 皮膚を刺激する衣服に注意しましょう(紫外線はさけてネ)
  4. かゆみを起こす食べものやくすりに注意しましょう*参考2
  5. ストレスに用心しましょう
  6. お医者さん・薬剤師さんの指示を守りましょう

日常生活のこころえ

参考1:皮膚にやさしい入浴法

  • 清潔を気にするあまり、肌を洗いすぎると皮膚の表面の脂気を落としすぎてしまいます。
  • 石けんやシャンプー、リンスなどは、刺激の少ないものを使いましょう。
  • ナイロンタオルやボディブラシなど硬いものでこすりすぎないで、木綿のような柔らかいもので洗います。できれば、泡だてたものを手で洗うのがよいでしょう。
  • 長い入浴はさけましょう。
  • 入浴剤には、保温用、保湿用がありますが、皮膚の乾燥を防ぐには保湿用がよいでしょう。硫黄入りのものは脱脂作用があるので皮膚が乾燥します。
  • 入浴・洗顔の後は保湿用の塗り薬で皮膚の水分を保ちましょう。

皮膚にやさしい入浴法

参考2:「かゆみ」を生じる食べもの・「じんましん」の原因になり易い食べもの

「かゆみ」を生じる食べもの・「じんましん」の原因になり易い食べもの

「かゆみ」の治療一口メモ

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

ステロイド外用薬と保湿剤が使用されます。また、タクロリムス(プロトピック軟膏)はマイルドクラスのステロイド外用薬と同等以上の有効性が評価されています。
アトピー性皮膚炎は、じんましんと同じように、強い「かゆみ」があり、かき破って皮膚のバリアをさらにこわしてしまうことがあります。かくと「かゆみ」はますます強くなります。この悪循環を断ち切るために抗ヒスタミン薬を併用します。

じんましん

じんましん

まず、原因になるものをさがして、避けることが大切です(食べ物、食品の添加物、くすり、日光、温度、摩擦や圧迫など)。
そして、「かゆみ」をとるために、じんましんのもとになるヒスタミンを抑えるくすりを使います。
いろんな種類の抗ヒスタミン薬があります。もともと眠気などの副作用がありますが、最近では効果が良く、眠気が少なく、1日1回服用ですむ薬もあります。また、ロの中ですぐ溶けて、どこでも水なしで飲める口腔内速溶錠や小児も飲みやすい、ほのかに甘いドライシロップも出ています。
お医者さんの診察を受け、自分に合った薬を処方してもらいましょう。

皮膚そう痒症

皮膚そう痒症

皮膚に、はっきりしたプツブツがないのに、「かゆみ」があります。
特に、高齢者の皮膚は、あぶらけや水分が少なくカサカサして外部からの刺激に敏感になって「かゆみ」を感じます。
「かゆみ」には、抗ヒスタミン薬を使用し、「かゆみJ のもとになるものを抑えます。
皮膚のカサカサは、加齢、低湿度の住環境などで起こることがあります。
また、内蔵の病気が原因の場合もありますから注意しましょう。

※保湿剤では、セラミドが注目されており、他に尿素やムコ多糖などがあります。硫黄成分は乾燥作用がありますので注意しましょう。

湿疹・皮膚炎

湿疹・皮膚炎

アレルギー性のものと刺激によるものとがあります。いずれもかゆみがあります。
接触皮膚炎(かぶれ)や主婦湿疹などが代表的なものです。
ほっておく人がいますが、「かゆみ」や「ブツブツ」が強ければ、早く診察を受けましょう。
「かゆみ」の強いときは、飲酒や長い入浴は避けた方が良いでしょう。
ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬が使われます。ステロイド外用薬には、作用の強さにいろいろな種類があります。かゆみ止めの飲み薬には、抗ヒスタミン薬が使用されます。「かゆみ」や症状の程度によりいろいろな治療薬が使われます。

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