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病気の知識

小児の感染症 − こどもの皮膚感染症のおはなし

ご自身やご家族の症状について、心配や疑問を持たれた場合には、ご自分で判断されずにお医者さんにご相談ください。

監修:川崎医科大学 小児科学 教授尾内 一信 先生   こむら小児科(北九州市) 古村  速 先生

こどもがかかりやすい皮膚感染症

細菌、ウイルス、真菌のイラスト

こどもがかかる皮膚感染症の原因には、細菌、ウイルス、真菌の3種類があります。
細菌による感染症の中では、とびひが多く、続いてせつ、あせものより、毛のう炎、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群などがみられます。

おもな細菌感染症の症状や特徴

とびひ(伝染性膿痂疹)

イメージイラスト

とびひは、かゆみを伴う水ぶくれができます。水ぶくれは2~3日で急速に大きくなり、大豆からクルミくらいの大きさになります。水ぶくれは破れやすく、中から汁が出てジクジクただれた状態になります。この水ぶくれの汁が離れた場所の皮膚について次々と感染していくので“とびひ”といわれています。夏に多くみられ、アトピー性皮膚炎のお子さんはかかりやすいといわれています。
小さな傷や虫さされあとを爪でひっかいたところから、主に化膿菌である黄色ブドウ球菌が侵入して起こり、全身にできます。幼児期に多くみられます。
治療には、抗生物質の内服や軟膏が使用されます。抗生物質は、病気の原因となっている細菌を退治する大変重要なお薬です。治療すると、ジクジクとただれていたところが、乾いてかさぶたができ、やがてはがれ落ちます。
伝染力が強く、他のお子さんに移りやすいので、接触させないように注意しましょう。

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*JAID/JSC 感染症治療ガイド2014(日本感染症学会・日本化学療法学会)

面疔(せつ)

顔面にできた化膿したおできのことを面疔といいます。ほとんどの場合、化膿菌である黄色ブドウ球菌が毛穴に入り起こります。毛穴の周りに化膿性の炎症が起き、激しい痛みがあり、患部が熱をもつこともあります。
治療には、主に内服の抗生物質が使用されますが、あわせて軟膏が処方されることもあります*。

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*JAID/JSC 感染症治療ガイド2014(日本感染症学会・日本化学療法学会)

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)

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ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は、やけどをしたときのように皮膚がはがれる病気です。のどや鼻の粘膜などに黄色ブドウ球菌が感染して増え、その菌が出す毒素(皮膚がはがれる毒素)が血流にのって全身の皮膚に到達し、皮膚が赤くなったり、水ぶくれややけどのように皮膚がずるずるはがれてきます。この病気にかかるのは、ほとんどが乳幼児です。

症状としては、目、鼻、口の周りなどの顔や、首、わき、太もものつけねなどの皮膚が赤くなることから始まり、次第に全身の皮膚がやけどのようにシート状にむけます。また一見正常にみえる部分の皮膚をこするとずるっと破れたりすることがあります。また、水ぶくれができたり、熱が出ることもあります。
入院させて、点滴で水分の補給をしながら、抗生物質の内服または点滴注射を行います*。皮膚の治療はやけどの場合と同じように行います。回復期には、皮膚は乾燥して、皮がぼろぼろとはがれます。手と足では薄い膜のようにはがれます。1週間程度で軽快し始め、3~4週間で治ります。1年を通じて発症します。

*JAID/JSC 感染症治療ガイド2014(日本感染症学会・日本化学療法学会)

あせものより(乳児多発性汗腺膿瘍)

乳幼児に多くみられる“あせも”は、汗で皮膚の表面がふやけたり、汗の出る管(孔)が汚れなどで詰まるとできる、かゆい赤いブツブツです。そのあせもをかきむしると、化膿菌である黄色ブドウ球菌の感染が起き、“あせものより”(乳児多発性汗腺膿瘍)になります。頭や顔に、小豆大の硬いしこりができ、だんだん大きくなって赤くなり、盛りあがってきます。1ヵ所だけでなく、一度に何ヵ所もできたり、次々にできたりすることが多いのが特徴です。
痛みがあり、リンパ節がはれることもあります。アトピー性皮膚炎のお子さんは、かかりやすいといわれています。
治療には抗生物質を内服します*。

あせものよりは、痛みを伴う固いしこりができます。汗孔に黄色ブドウ球菌が感染し、汗孔周囲炎を発症します。さらに汗管、エクリン汗腺へ感染が進行すると汗腺膿瘍となります。

*JAID/JSC 感染症治療ガイド2014(日本感染症学会・日本化学療法学会)

治療中気をつけること

とびひ

イメージイラスト

水ぶくれの汁が皮膚の他の部位につくと、感染が拡がるので、かゆくても水ぶくれを破かないように注意します。また兄弟や他のお子さんにも移りやすいので、治るまでは、接触しないようにしましょう。
レンサ球菌が原因の場合は、皮膚の症状が治った後に腎炎やリウマチ熱などになる可能性がありますので、治った後も10日間くらいは、抗生物質を飲み続ける必要があります*。

*JAID/JSC 感染症治療ガイド2014(日本感染症学会・日本化学療法学会)

面疔(せつ)

面疔のできたところを指でさわらないようにしましょう。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)

脱水症状となることがあるので、水分の補給に努めることが大切です。

あせものより

洗髪、シャワーで清潔を心がけましょう。

お薬を飲み忘れないことと、清潔を保つことが基本です。

かからないようにするには

とびひ

虫さされや傷あとなどを、汚れた指や爪で、かきむしらないようにすることが大切です。そのためにはこまめに爪を切り、手洗いをし、清潔を心がけましょう。
また、入浴、肌着の交換をこまめに行い、皮膚を清潔にしておきましょう。

面疔(せつ)

清潔を心がけているイラスト

多量の汗や、皮膚が汚れていたり、かきむしったりすることが原因となることがありますので、顔を汚れた手指や爪でさわったりしないようにしましょう。また、清潔を心がけましょう。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)

かからないようにする予防法は特にはありませんが、発熱があり、突然に顔・首・わき・太もものつけねなどに水ぶくれができたり、赤くなって痛がるようであれば、この病気が疑われますので、ただちに病院へ行くようにしてください。

あせものより

シャワーを浴びているイラスト

まず、あせもを予防するため汗をかかないように涼しくしてあげましょう。シャワーを浴びたり、冷たいタオルで汗をふきとるのもよいでしょう。また吸湿性のよい木綿類の衣類を着用するのも効果的です。
刺激性の強い発汗抑制剤はさけましょう。
またあせもができても、かきむしらないように注意が必要です。

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