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病気の知識

インフルエンザ − インフルエンザの理解を深め、正しい知識や予防法を身につけましょう!

ご自身やご家族の症状について、心配や疑問を持たれた場合には、ご自分で判断されずにお医者さんにご相談ください。

監修:日本臨床内科医会インフルエンザ研究班副班長 廣津医院院長 廣津 伸夫 先生

インフルエンザとは

インフルエンザとは

インフルエンザとは、“インフルエンザウイルス”によって引き起こされる感染症です。
2009年の冬までは、2つのA型インフルエンザ(香港A型とソ連A型)とB型インフルエンザのあわせて3つのインフルエンザが流行していました。これらをまとめて季節性インフルエンザといいます。2009年春からはそれらに加え新型インフルエンザが流行し、世界中に広がりました。季節性インフルエンザは、主に冬場に流行していましたが、新型インフルエンザは夏場にも流行しています。
インフルエンザにかかると38℃以上の急な発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状が強くあらわれ、あわせて鼻水、咳、のどの痛みなどの症状もみられます。
高齢の方、基礎疾患を持つ方、妊娠中の方、乳幼児がインフルエンザにかかると、気管支炎、肺炎などを併発し重症化し、最悪の場合は、死に至ることもあります。
特に新型インフルエンザの場合はその危険性が増します。
そのため「インフルエンザかな?」と思われる場合は、早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。なお、受診の際にはあらかじめ電話を入れておくとよいでしょう。

※慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能不全

インフルエンザとかぜの違い

従来、下の表のように考えられていましたが、診断技術の進歩によって、かぜと思われる程度の症状でも、インフルエンザと診断されることが多くなっています。インフルエンザが流行しているときには、熱が低くても、全身症状があるようでしたらインフルエンザの可能性があります。

インフルエンザ かぜ
発熱 高い(38℃以上) ないかもしくは微熱
主な症状 かぜの症状に加え、発熱、関節痛、
筋肉痛、倦怠感など
のどの痛み、咳、鼻水など
発症 急激 ゆっくり
合併症 気管支炎、肺炎など ほとんどない
発生状況 流行性 散発性

新型インフルエンザとは

新型インフルエンザとは、今までと違ったインフルエンザウイルスによる感染症です。ほとんどの人がウイルスに免疫を持たないため、感染が拡大し世界的な大流行「パンデミック」を起こし、今までも、大きな健康被害と社会的影響をもたらしてきました。
なお、2009年春に発生した新型インフルエンザは、豚を起源とするところから「ブタ由来インフルエンザ」と呼ばれていましたが、現在では主に「新型インフルエンザ」という言葉が使われています。しかし、いつまで新型といわれるかは分かっていません。また、別の新たなウイルスが流行する可能性も否定できません。
症状は、通常の季節性インフルエンザとほぼ同じです。ただし、肺炎などの呼吸器障害を起こし重症化することが多いため、特に小児では注意が必要です。

インフルエンザの脅威

インフルエンザの脅威

インフルエンザは、過去に世界的な大流行「パンデミック※」を起こしました。 インフルエンザのパンデミックには、スペインインフルエンザ(1918年)、アジアインフルエンザ(1957年)、香港インフルエンザ(1968年)、ソ連インフルエンザ(1977年)などがあり、スペインインフルエンザでは、日本で約38万人の死者が出たといわれています。 こうしたパンデミックは、新型のインフルエンザウイルスが出現し、新型ウイルスに対する免疫を持たない多くの人に感染が拡大することで、起こったと考えられています。 過去のパンデミックの経験などから、特に注意が必要なグループを「ハイリスク群」と呼んでいます。

※感染症の世界的な規模の大流行のことを「パンデミック(Pandemic)」と呼びます。

ハイリスク群とは?

インフルエンザにかかると、肺炎などを併発し重症化する可能性の高いグループのことです。下記の方が当てはまります。
■高齢の方(65歳以上)
■基礎疾患を持つ方
・慢性呼吸器疾患(喘息、COPD、肺線維症、肺結核など)
・慢性心疾患(弁膜症、慢性心不全など)
・代謝性疾患(糖尿病、アジソン病など)
・腎機能障害(慢性腎不全、血液透析、腎移植後など)
・免疫機能不全(ステロイド内服など)
■妊娠中の方
■乳幼児

参考:厚生労働省「重篤化しやすい基礎疾患を有する者等について」
   厚生労働省「新型インフルエンザのハイリスク群について」

インフルエンザの予防

最大の予防法は、流行前にインフルエンザワクチンの接種を受けることです。ワクチンの接種で、インフルエンザに感染しにくくなりますし、かかったとしても軽い症状ですむことが証明されています。
現在、日本では新型インフルエンザの流行はみられませんが、冬になる前にもう一度流行することも考えられますので、今までかかっていない人や、ワクチンの接種を受けていない人は、受けておいたほうがよいでしょう。

日常生活における予防法

日常生活における予防法

  • 人ごみを避け、外出時にはマスクを着用しましょう。
  • 帰宅時には「手洗い」「うがい」をしましょう。
  • 栄養と休養を十分にとりましょう。
  • 室内では加湿と換気をよくしましょう。

また、感染を広げないためにも、感染の可能性がある方は、咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手はただちに洗うようにし、周囲へ配慮(咳エチケット)しましょう。

咳エチケット

咳エチケット

  • 咳やくしゃみをしているときはマスクを着用しましょう。
    (マスクは説明書をよく読み正しく着用しましょう。)
  • 咳やくしゃみをするとき、マスクを着用していない場合は、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
  • 鼻水・痰などを含んだティッシュを、すぐに蓋つきのごみ箱にすてられる環境を整えましょう。

インフルエンザの治療

インフルエンザウイルスの増殖を抑えるお薬(抗インフルエンザウイルス薬)で治療します。
インフルエンザは肺炎などを併発し重症化することがあるので、早めに治療することが重要です。特に、ハイリスク群に当てはまる方は、ただちに医療機関を受診しましょう。なお、受診の際にはあらかじめ電話を入れておくとよいでしょう。 また、無理して学校や職場などには行かず、症状が治まるまで安静を保ちましょう。
※新型インフルエンザでは、熱が下がった3日後でも40%以上の人にインフルエンザウイルスが残っていることが分かりました。インフルエンザの流行を拡大させないためにも、治療開始から最低5日間は、自宅療養が推奨されます。

抗インフルエンザウイルス薬とは

抗インフルエンザウイルス薬とは

体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑えるお薬で、病気の期間を短縮したり症状を軽減したりする効果があります。
現在、日本で使用されている抗インフルエンザウイルス薬には、「点滴」や「飲み薬」、「吸入薬」があります。

家族がインフルエンザにかかった場合

インフルエンザの流行を拡大させないためにも、家庭内で感染を防ぐことは、非常に重要なことです。同居している家族がインフルエンザにかかった場合は、下記に注意して看護してください。

看護のポイント

  • 患者さんを、できるだけ家族とは別の個室で静養させましょう。
  • 看護した後は、手洗い、うがいを徹底しましょう。
  • 患者さんだけでなく、看護する方もマスクを着用しましょう。

患者さんを見守るポイント

インフルエンザの治療を受けた後でも、次のような症状を認める場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
また、下記以外でも、いつもと様子が違って心配な場合は、医療機関に相談してください。

小児の場合

  • 手足を突っ張る、がくがくする、眼が上を向くなど、けいれんの症状がある。
  • ぼんやりしていて視線が合わない、呼びかけに答えない、眠ってばかりいるなど、意識障害の症状がある。
  • 意味不明なことをいう、走り回るなど、いつもと違う異常な言動がある。
  • 顔色が悪い(土気色、青白い)。唇が紫色をしている(チアノーゼ)。
  • 呼吸が速く(1分間に40回以上)、息苦しそうにしている。
  • ゼーゼーする、肩で呼吸をする、全身を使って呼吸をするといった症状がある。
  • 「呼吸が苦しい」、「胸が痛い」と訴える。
  • 水分が摂れず、半日以上おしっこが出ていない。
  • 嘔吐や下痢が頻回にみられる。
  • 元気がなく、ぐったりしている。

成人の場合

  • 呼吸困難または息切れがある。
  • 胸の痛みが続いている。
  • 3日以上熱が続いている。
  • 脱水の可能性がある(嘔吐や下痢で水分が摂れないなど)。

インフルエンザに関するFAQ

インフルエンザの検査はどのようなものですか?

インフルエンザの検査は、迅速検査が普及してすぐに結果が出るようになりました。
鼻腔の拭い液、咽頭の拭い液などを採取して、迅速検査キットなどで調べます。検査にかかる時間は、早いもので15分です。A型とB型を区別できるものが使用されています。
しかし、検査結果が陰性(マイナス)だからといって必ずしもインフルエンザにかかっていないとはいいきれません。ウイルス量の少ない初期には「偽陰性」となることがあります。
また、新型インフルエンザでは、通常の季節性インフルエンザに比べると、明らかに発症から陽性反応が出るまでの時間が長いことが分かっています。

インフルエンザと診断されました。登校はいつ頃から可能ですか?

インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く)は、第2種学校感染症に指定されており、出席停止の期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」となっています。
ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。(学校保健安全法施行規則第19条)
インフルエンザの流行を拡大させないためにも、主治医と相談の上、登校日を決めるようにしましょう。

インフルエンザと診断されました。出社はいつ頃から可能ですか?

出社する目安については、特に決まりはありません。
しかし、インフルエンザにかかった後は体力が落ちていることもあるので、無理せず十分に回復してから出社するようにしましょう。周囲への影響を考えると登校の条件と同じように考えましょう。
新型インフルエンザは、熱が下がった3日後でも40%以上の人にインフルエンザウイルスが残っていることが報告されています。そのため、咳などの症状が続いている場合は、マスクをしたりティッシュで口元を覆うなど、周囲への配慮(咳エチケット)が望まれます。

インフルエンザ脳症とはどのような病気ですか?

最近、インフルエンザ脳症が深刻な問題になっています。
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルス感染に伴う発熱の後、急激なけいれん、意識障害、異常行動などを伴う病気で、死に至ることもあります。

熱性譫妄(ねっせいせんもう)とはどのような状態ですか?

小児が高熱を出した際に、幻視、幻覚があらわれ、異常行動を起こす状態です。インフルエンザ脳症の初期にみられることが多いといわれていますが、必ずしも、熱性譫妄=インフルエンザ脳症というわけではありません。

新型インフルエンザは、呼吸器障害を起こすことが多いのですか?

新型インフルエンザは、小児において肺炎などの呼吸器障害を起こし重症化する患者さんが多いと報告されています。そのため、できるだけ早く治療を開始することが望まれます。

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